院試について(続き)

frf-hss2005-09-21

  • 専門

 今回は専門科目の試験についてです。こちらも時間は2時間。これはそのまま問題を紹介します。*用語の後に()で英語が書いてあるのはめんどくさいので一部省略。


 大問1は40点で、3問の中から1つ選択ですが、3つ目の問題はいつも社会心理の問題なので実質2問の中から1つ選択です。大問3つのうち最も配点が高いので、一番重要と言えますがまあ、解いてる時はあんまり気にしないですね。
A. 今日、個人化とグローバル化という、いっけん相反する過程が進行しているようにみえる。このような現象(いずれか一方あるいは双方)を念頭において、現代の日本社会について論じなさい。
B.「文化」という概念を定義し、そうした定義を採る理由を説明しなさい。

 Aは激しくT先生の予感。文章の感じも怪しい。Bはかなり不気味な問題です。誰が出したのかよく分からないし、どういう答えが求められているのかも不明(いろいろあると思うけど)。なのでAを選択しました。


 大問2は30点で、1と形式は全く同じです。
A.社会学における「権力(power,pouvoir,Macht)」概念の意義について説明しなさい。
B.「身体(body)」について、メルロ=ポンティフーコー、ゴフマン、モース、ブルデュー、セルトーのいずれか一名(ないしは複数名)の議論に触れながら、自身の論を展開しなさい。

 Aは結構予想していた問題。過去にも出題されてるけれども、権力はまだまだ出るかなと。かといってちゃんと準備していたわけではないですが・・。Bは1のB以上に不気味な問題。なんだこれは。誰が作ったのかも謎。メルロ=ポンティとかセルトーの「身体」についてなんか知らんて。他の人ではまあ書けないこともない・・けど、気味が悪いのでAを選択。


 大問3は用語説明。9個のうちから3つ選択ですが、たいてい最後の3つは社会心理の用語なので、これも実質6個から3つ選択です。
1.感情労働 2.生活世界 3.独立変数と従属変数 4.階級 5.対抗文化 6.状況の定義 7.マキャベリ的知性 8.社会的勢力 9.傍観者効果

 選択したのは1・2・6です。今回はとにかく書きにくい用語ばっかりで困りました。「感情労働」以外はほんと書きにくい。「階級」とか「対抗文化」みたいな一見簡単そうな用語の方が難しいと思います。去年の出題で言うとグローバル化とか。どうとでも書けそうで書けないというか。3のような調査用語や社会心理の用語の方が、ばしっと定義を書けるのですが、その代わり間違えた場合にはっきり分かるし、あまりたくさん書けないので今回はやめました。(特に自信がある用語もなかったし。)でも2・6も書きづらかった・・。


 試験が終わった後に聞いてみたところ、友人2人もほとんど同じ問題を選択したそうです。みんな考えることは同じですね。受けてみて思ったのは専門もやはり時間がない、ということ。去年院試を受けた友人が、解答用紙の6〜7割程度埋めればよいと言っていたのですが、どっちみちそれ以上は書けないです。考えをまとめたり、構成を考えたりする時間はほとんどなく、ほぼいきなり書き始めるという感じでした。私は特に書くのが遅いので・・。かなりめちゃくちゃなことを書いた気がしますが、まあ自分にしたらあれでも上出来なので、仕方ないですね。


 写真は中尊寺。街中もそうですが、なんとなくこっちと生えている木の種類が違う気がします。背が高くて涼しいです。針葉樹?